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三日間の山口大学の集中講義が終わりました。
肢体不自由教育を担当し、3年ぶりの対面での授業。
99名の学生が受講しました。

運動、認知、摂食指導、ことばに関しては学習ナビゼミのように演習で進め、最後はライフステージ。
進行性疾患のお子さんのビデオアルバムを見せ、『今だけを見ないで。これまでのご家族との長い歴史があり、今があり、更にこれからの人生がある。長い人生の今を関わらせていただいていることに感謝と責任を持つこと』と伝えました。

レポート提出し退席する前に『質問いいですか?』と、4年生の学生が来ました。
小学校教員になる彼は、実習中、教室の中で離席したり学習についていけていない子どもを見て、自分が担任になって同じようなことに遭遇したらどうしたら良いか。
支援学級を勧めたら良いのか。
先生ならば、どのように対応されますかと。

学生に言いました。
主語が先生にならないように。
先生が困っているのか、子どもが困っているのか。
今だけを見ていないか。
学級運営に困っている先生は、今しか見ていない。
親御さんは子どもの将来を見ている。
そこに食い違いが起こり、信頼関係が崩れる。
とことん子どもと付き合い、とことん保護者の方と話してみよう。
悩んだ時には、主語を子どもにして考えようね!

困ったらメールして。
『わかりました!』と晴やかな表情に変わり、颯爽と部屋をでていきました。

そして、もう一人・・・
『先生は、昨年講義された川間健之介先生とご関係があるのですか』と。
『実は、昨年の講義(オンライン)で、障害受容の話が心に刺さり、もっと勉強したいから筑波大の大学院に行こうと決めました!』と。
オオ!講義が学生の人生を左右するものになったのか。
若者が頼もしく感じられた三日間でした。


お正月も終わり、学校が始まりましたね。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年は、ワンポイントアドバイスを発信していきます。
今回は、子どもに記憶してもらうための技についてです。

1歳で50語程爆発的に単語を話すようになり、2歳で二語文、3歳で三語文と言われています。
当センター監修で製作している、虹とおひさまの教材の『カラフルどーなつ棒』は、主に色の弁別と名前を覚えることで使われますが、それが習得された後、こんな使い方もできます!

それは、『色+数』です。


カラフルドーナツ棒

カラフルドーナツ棒製品見本


数の学習とことばの連鎖の学習もできます。
4つの棒を入れやすいように少し離して呈示しておきます。
4色10個をそれぞれ容器に入れておきます。
子どもに…「赤を3入れます」とことばで指示します。
子どもは、色+数の二語連鎖を記憶し続けながら操作します。
ひとつができるようになったら、「赤を2.青を5入れます」と複数の指示を記憶し続ける学習を行います。

【指導上のワンポイントアドバイス】

指導上の配慮点は、余計なことばを入れないことと操作しやすい設定とすること。
「赤い輪を5個と黄色い輪を2個、この棒にさしてください」のことばかけと、「赤を5、黄色を2入れて」のことばかけのどちらが記憶に刻みやすいでしょうか。
必要なことをシンプルに伝えることは、どの学習でも同様です。
また、棒がくっついていると操作しにくく、操作に手間取ると忘れてしまいます。
記憶を要求する課題は、そのあたりを配慮しています。

また、「赤を・・」とことばをかけた時に、子どもの目が赤に同定しているかです。
視線を敢えて逸したり目を閉じたりして覚えようとする子もいますが、視線を覚える物に同定することで刻みやすくなります。

別の課題で
例えば「3+2」のような簡単な計算問題を、ことばだけで念頭操作してもらう時にも、数字を書いていない枠だけの計算用紙を呈示し、枠に視線を同定しながら刻む支援をすることがあります。

忘れるとは・・・

1.記銘する時の失敗
2.貯蔵中の変化
3.検索の失敗

指導中のことばかけは、シンプル is ベスト!


いつもメルマガをご愛読いただき誠にありがとうございます。
本年も何卒、よろしくお願いいたします。
今回は年末のご案内しておりました、2023年春季セミナーの募集開始のご案内です。

どんなセミナーなのか?

今回のセミナーは28年間培われたセンターの指導理念を紹介すると共に、それらを基にした具体的な指導方法と実践を交えたセミナーです。

当センターの指導は、ダメ・違う・はやくを言わない指導を心がけています。
また、禁止・命令・禁止のことばを使いません。受ける側の気持ちになると、否定や命令ではやる気にはなりません。

当センターの指導理念とは

・否定・命令・禁止を行わない指導
・子どもの目線に重点をおいた指導
・小集団・個別での指導
・発達段階や障がいの特性を加味した指導

人の子として生まれたなら、その人がどんな状態であろうと、一人の人間として、その存在は尊重されなくてはなりません。
人の成長とは、より人らしくなるということであり、より人らしくなるという人間の本質は、より豊かに考えることにあります。
さまざまな障害があっても、どんなに小さな存在であっても、その人はその人らしく刺激を受容し反応しています。
その受容や反応の様相がより豊かに高まっていくような適切な働きかけがあれば、いかなる障害があっても、より人らしく成長していくと思います。
このような想いで28年間、学習指導を行ってきました。

2023年春季セミナーで伝えたいこと

今回のテーマは『実態把握から実際の指導』
子どもの力を伸ばしてあげたい!
目の前の子どもの指導が、行き当たりばったりの指導時間にならないために、私たちが28年間大切にしてきた、子どもの目線での指導法しっかりとお伝えします。

開催日:2023年3月19日(日)9時30分~16時
会場参加またはオンライン参加と学び方選べるハイブリッド型セミナーです。
参加資格はありません。
子どもの自立についてご興味や関心があれば、どなたでもご参加ください。

詳細/お申込みはセミナー専用ページでご確認ください。


今年も残すところ後わずかとなりました。
今年も一年、当センターにご理解、ご協力いただき誠にありがとうございました。

少し早いのですが、来年の春季セミナーのお知らせです。

●今回のテーマ
実態把握から実践指導です。

●開催日
2023年3月19日(日)

子どもの力を伸ばしてあげたい!
28年間培ってきたセンターの指導理念を基に、具体的な指導方法を実践を交えながらご紹介します。

今回も会場、オンラインと選べるハイブリッド型セミナーです。

詳細、募集開始は2023年1月初旬にご案内します。


2023年春季セミナーチラシ

2023年春季セミナーチラシ


当センターは長年、年齢や障がいや障がいの程度にかかわらず、また診断を受けていない、学習に困っている子どもたちが通っている施設です。
一人ひとりの特性に応じたプログラムを設定し、短時間で結果がでる学習指導を行っています。その指導に使う教材教具は子どもたちの理解度を高めるためにとても重要なものです。
既成のプリントを出して、「やってごらん!」という指導ではなく、一人ひとりに合わせて拡大したり、切ったり貼ったり、作り直したり、理解度に合わせて指導中にカスタマイズできることが理想的だと考えています。
よって、限られた時間内で「わかった!」と実感できる教材教具を長年研究し続けています。

教材開発をするときに常に考えること

  • どんな状態の子どもが使うのか
  • どんな学習シーンで使うのか
  • 色見
  • 手触り
  • 指導中、状況によってカスタマイズできるほどの汎用性はあるのか

長年指導に携わっているからこそ、指導中の子どもの様子を振り返りながら、そして、効果的な指導へ導く仕掛け...など
多面的に考え試行錯誤して誕生するのが、教材、教具です。

そして、今回も完成しました!
色の見分け・見比べが難しい子どものための指導教材
『カラフルどーなつ棒』
色は赤色、青色、黄色、緑色とカラフルで、重田木型さんの丁寧な製作でなめらかな手触りのドーナツ型輪っか。


カラフルどーなつ棒10・赤色


見ないで入れて間違い、大人に修正されるのは子どもの学習意欲をなくすことに繋がります。
まずは、何をどうすればよいかを、1つの色だけ差すことで理解したあと、2色から弁別、3色から弁別と増やしていくことで、見分けることができるようになります。
そして、複数の色から指示された色を選択する見比べへと繋がっていきます。


是非、皆様の指導にお役立てください。

『カラフルどーなつ棒』の詳細はこちらへ

ご購入はオンラインショップへ


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電話番号:0835-25-8808