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年2回の大きなイベントでもあるセミナーの一つ、春季セミナーを終え、新学期に向かって新たな志でスタートする時期を迎えています。
今年は今の時代に必要な新たなビジョンを計画中ですが、その前に24年前の発足当時のことを少し綴ります。

つばき教育研究所山口分室の発足

平成7年3月。ちょうどこの頃、5人のお子さんのお母さんから学習指導のご依頼があり、担当することになりました。
自閉症スペクトラム障害、ダウン症、診断名はないが保護者の方が不安に思われていたお子さんたち。
東京都の教員時代に勉強させていただいた、つばき教育研究所の宮城先生からの後押しもあり、その日、つばき教育研究所山口分室として立ち上がりました。

寄り添い、共に喜び、支援する

それから2年後、長男が生まれ、子育てと担当のお子さんの成長を促す毎日。
就学、次の中学校選択、そして、高校入試、卒業後の進路選択と…
共に歩み、その子どもたちが成人になった時、私の中でやり終え感がありました。

しばし力が抜け、次の活力がわかなくなった日、一歳のひなちゃんがやって来ました。
まだまだやらなくては!!
次に向かうエネルギーが沸いてきました。
そしてその年代の子どたちも育ち、我が子も長男大学卒業、長女大学入学に伴い、またまた子育てやり終え感を感じています。

小集団学習ー5つの柱ー

そして、今年。
22歳の長男が小1から始め、6年生まで続いた小集団キッズ。
その頃は珍しい小集団学習です。

メインの先生の話を聞く、
友だちのことばに耳を傾ける、
ルール性の遊びを通してルールを守る、
個に応じたプリント学習を行い、
早く終わった人は友だちが終わるまで、待ち時間をパズルをやりながら待つ‥。
5つの柱を立てて行いました。

子どもの巣立ちと新たな始まり!

その8人は大学、専門学校、就職とそれぞれの道に進み、大学卒業の年になります。
二代目キッズ、三代目キッズも高校生になりました。

しばらくお休みしていましたが、今年、6人の四代目キッズを始めました。
幼児期の子どもたちが増え、知的障がいのない子どもたちがグループを作る位の人数になったためです。

入学前に学校でのルールを教えることで、はじめの一歩のハードルが下がります。
大事な一歩だから‥。

この子たち、そしてすがって来られる保護者の方の気持ちを考えると、やらなくっちゃ!と背中を押されます。
我が子を送り出す今年、それは、三度目の子育ての開始かもしれません。


私がこの世界に入ったきっかけ肢体不自由の子どもたちとの出会いがあったからです。
教育実習先は、大学附属の特別支援学校(養護学校)でした。
そこは、知的障がいがほとんどない、身体が不自由な子どもたちで、身体の訓練は理学療法士が行っていたため、実習内容と言っても、小学校の教科を教えることでした。

現実と向き合い、新たな学びへ

その後、採用されて新宿養護(特別学校)に行くと、寝たきりの重度の子どもたちばかり‥。  
私は「名ばかり内容のない先生だった…。」と実感し、それからはがむしゃらに、運動・動作、摂食指導、認知面の勉強をし、大学院も運動障害を専門に学んできました。

音声言語の表出が難しい子どもたちは、体全体で思いを伝えてきます。
しかし、どの位受け止められているのだろうか、常に課題です。

「あっくん」との出会い

身体の緊張がかなり強いあっくんが、朝、自宅で突然亡くなっていました。
自宅で亡くなったため、解剖されることになり、直接の死因ではないが、胃潰瘍が見つかりました。
ショックでした。亡くなったことはとても悲しいことですが、それ以上に、胃潰瘍になる程ストレスを抱えていたことにショックを受けました。
まだまだ、あっくんにいっぱい伝えたいこともあり、意思表出手段を教えている途中であり、自分自身、受け止めきれてはいなかったことに後悔もありました。

緊張が強い子どもたちは、緊張を抜き、適切な姿勢(ポジショニング)により、必要な力を引き出しながら、随意的に動かせる部位を見つけ意思表示する手段を教えることが大切です。

あっくんのように、思いを伝えられないもどかしさを抱えている子どもたちは多いです。
あるお子さんは、誰も教えてはこなかったのに、ひらがな全部覚えていました。
身体が重度で寝たきりで言語での発話がないため、知的にも重度とみられがちです。
知的な面は、別にきっちり実態把握する必要があります。

知的障がいの子どもたちは、教える内容と教えるための教具のことを考えますが、肢体不自由の子どもたちには、加えて身体の専門的知識と技術が必要と考えます。
そして、運動、認知面の定型発達の道筋を理解しておくことが必須です。

現在は当センターでの指導以外に複数の大学と専門学校でも講義をしています。
大学、専門学校で学生に教える機会があることは、とても嬉しいです。
あっくんのような子どもたちの気持ちを受け止められる先生が増えることを切に願っています。


子どもの味方になれる!

25年目になるセンターの1年目から言い続けています。
目の前の子どもの姿をどれだけ多くキャッチできるか。
そして、その中から必要情報をとれだけチョイスできるか。
そして、発達の視点と障がいの特性、子どもの興味関心と照らし合わせながら、子どもの行動の背景を意味付けられるか。
それができる人が子どもの味方になれます。

多角的に見ることができる人

今、少しそのことばが広がりを見せています。
子どもの見方が一面的でなく、多角的に見ることができる人が子どもの味方になれるのです。

例えば…わざと物を壊してしまった子どもたち
‥怒る前に考えてみると‥  
それは、もしかして、中の仕組みを知りたいのかもしれない

相手をつい叩いてしまった子どもたち
‥怒る前に考えてみると‥
相手に伝えたいことがうまく言えなかったのかもしれない、物でなく人に向かうのは、人に関心を持ち始めたのかもしれない‥

共感の公式

んで~!と問い詰めても理由が言えるくらいならば、手は出さない!
だから~してしまったのね。の共感の公式に当てはめると、子どもの成長を感じるすごいことなのかもしれません。
対処しなければならない状況の中、少し落ち着いて、だから~なのね、に変えてみませんか。


4月入学を迎える小学1年生向けのクラスも明後日で4回目。
学校が異なる6人のメンバーで昨年暮れからスタート!
そのほとんどが通常学級に在籍する。
個別の学習ではそれぞれ年齢相応の力を発揮している子どもたち。
集団の場で、先生の指示を聞いて、スムーズに行動できるよう、はじめの一歩をつまずき学校嫌いにならないよう、困るであろうことを想定しながら内容を考えている。
もちろん、他者認識、自己発揮の観点も入れている。

現キッズも回数を重ねる度に友だちの名前を覚え、協力しようとする姿勢も見られるようになった。
前回のキッズで私はハッとさせられた!子どもってこんなところで困っているんだ!!

1. 「ふでばこに蓋をしましょう」⇒「先生!蓋がありません!」
ふでばこに一体化した蓋は、子どもの中では蓋ではない!

2.「みなさん、先生がそらに字を書くから良く見ていてね♪」
⇒ みんなは、窓の外のそらを見ていた!

3.「これからプリントを3枚しましょう」  
⇒ 一枚やる度に鉛筆を換える子、同じ鉛筆を使い続ける子
その時思った!どのくらい使ったらとんがった鉛筆と換えたらよいのか、それも教えなくちゃ!!

4.となりの友だちのふでばこをチラチラ見ながら、自分のふでばこの中身を確認している
⇒ 自分も、筆箱の中の付属品として鉛筆削りがあったことを確認し、ホッとしていた。
もし、鉛筆削りが筆箱の付属品でなく、単体で入っていたら不安だったかも。

今成人になったキッズメンバーのひとりは、入学式でベルトがなかったことで式に入れなかった。
ベルトがなくてもズボンには支障がかたったのだか‥。
大人からして些細と思うことも、子どもにとっては大きな不安である。
どこまでが全く同じでないといけないことで、どこからが個々異なることがあってもよいことか、伝えないと不安になる。
もしかしたら、こんなことが、登校渋りの原因に繋がることもあるのかもしれない。

はじめの一歩!ここがうまくいくように、シミュレーションしながら指導の内容を考えてはいるが、いつになったら、いくつになったら子どもたちの気持ちに寄り添えるのだろうか…。


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初のメールマガジンです。
「子どもの見方=子どもの味方」をテーマに子どものサポーターになるための学習会です。
お母さんもお父さんも、そして、おじいちゃんおばあちゃんも、学校や園の先生や支援員の方も、身近な子どもたちの顔を思い出しながら読んでください。
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このところ、スーパーキッズに出会う機会が多くあります。そして、不登校の子どもたちにも…。
つい、考えてしまいます。枠やルールのことを。

私もひとりの親として自分の子どもを「普通」の枠にあてはめることで、取り敢えず安心していると感じます。
社会のルールのもとで生活できることが、本人が困らないだろうと決め付けている自分がいます。

しかし、社会の枠に息苦しさを感じるたくさんの子どもたちとの出会いで、生き方について考えることが増えました。
保護者の方々は、できる限りお子さんの良い面がつぶれず、かつ、社会生活が少しのストレスで送れるギリギリの環境を探し回っています。

就学相談、進学相談を受け、お子さんにとってbetterであろう環境を一緒に考えます。少人数、支援体制、学校の理念…。
いろいろ考え、行き着いたところは、「希望」でした。
ずっとずっと親御さんが環境を作り続けることは困難です。子どもたちに「希望」という元気玉を与えることだと思います。

小学生中学生のスーパーキッズ、不登校の子どもたちには大学のオープンキャンパスや研究発表会に参加することを勧めます。
将来ここで何かをしている自分をイメージし、夢の実現に向けて、今、何をしたら良いか、具体的なプログラムを一緒に考えます。

未来に希望を持ちながらの、保護者の方、子どもたちのと相談の場は、暗く辛いものでなく、わくわくしてきます。
これまでは、他人が決めた社会の枠に当てはまることが苦痛だった子どもたちが、自分で生活の具体的な枠組みを考え、実行するようになります。

「普通は…。」のことばが大嫌いな私です。
でも、人に迷惑をかけない、自分を誤解されないルールは教えていかないと、とは思っています。自分を守る武器として。


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