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1月も中旬に差し掛かり、今日は鏡開きの日です。
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言われるように、これから3か月はあっという間です。
年長キッズ5人×2グループの10人の子どもたちも就学まで3ヵ月となりました。
いよいよ学校を視野に入れたグループ学習開始です。

  • ふでばこの使い方
  • 下敷きの使い方
  • 消しゴムの使い方と消しかすのまとめ方
  • ノートの取り方
  • 先生へプリントを渡す際のマナー
  • 横や後ろの人へのプリントの渡し方
  • ランドセルを背負った上からの雨ガッパの着方
  • かさの畳み方とマナー
  • 学校の教室名と活動の対応
  • 国語算数等の授業の名前 などなど…

ふでばこ

教えなければわからないことばかりです。
昨年の年長キッズのAくんは、「ふでばこの蓋をしまって」の指示に、「ふたがありません!」と...。
確かに蓋とイメージされるものはなく、一体化した蓋はAくんにとっては蓋ではなかったのです。
些細なことと思っても、子どもたちにとっては、毎日が緊張場面。

以前、入学式の日に混乱したお子さんがいました。
なぜか、聞くと、他の子は、ズボンのベルトをしていたのに、自分だけないと思ったからです。
ベルトのあるなしは大人にとって大したことないかもしれません。
でも子どもたちにとっては、周りと違うことは大きなことなのです

入学して、できるだけ混乱のないよう、ストレスが最小限になるよう、この3ヶ月は大事な期間です。
まずは学校ごっこから始めてみましょう。


今年も残すところ4日間となりました。毎年、この時期になると忙しくばたばたと走り回りながらも、一年を振り返っています。
親として今年は特別な一年であり、「親」として試されていると何度も思う一年でした。

親になれば、誰もが「子どもの幸せ」を願うものです。
しかし、この「子どもの幸せ」というものは形として見えるものではないので、子育てのプロセスは難しいと感じています。
今年、進学のため実家を離れた娘の、「幸せ」について語ったプレゼンを目にし、困難や悩みは自分を振り返り、考えるきっかけになり、人との関わりから生まれる愛情や優しさの大切さを改めて実感しました。

プレゼン:今生きられている事の幸せさ

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私は高校1年生の時強迫観念症に陥りました。
6つくらいの事を同時並行しいて睡眠時間もろくに取らず無理をしすぎた事でだんだんとやりたいという気持ちから、物事に対してやらなけばならないという強迫観念の気持ちに変わっていきました。
どこにも持っていきようのない不安と恐怖感が襲ってきて、高校1年生の10月から高校2年生の12月くらいまでその恐怖感に耐えていました。
自分には価値がないとか、「こんな娘で…出来の良い娘じゃなくてごめんね。」って沢山親に言いました。
その時に私は生まれて初めて今まで普通に生きられていた事の大切さを知りました。生きるって凄いんだなって素晴らしい事なんだなって…。
そこから私は人生の目標を楽しむ事にしてやりたい事はやる、やりたくない事は無理せずやらないと決めました。
そうする事で段々に強迫観念の気持ちがなくなっていきました。人生のどん底にいた時に母がかけてくれた言葉を私は今でも覚えています。「貴方はそこにいるだけで良い、貴方の命はひとりだけの命ではない」と。
その言葉の意味をその当時は理解できなかったのですが、大学生になり色んな人と出会えて、三日前に誕生日を迎えた時に多くの人にメッセージをもらい、その意味がはっきり分かりました。

「あ、私はひとりではないんだ…私は多くの人に支えられていて、応援されている。」

だからこそその人達に感謝して今という時を生きていこうと
そしてこの授業を通して今まで私は自分の弱さや過去の葛藤などを人に見せる事が出来なかった人でしたが、受講者の皆さんや先生方が受け止めてくれて そんな環境があるってありがたい事だなって…
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主人や私にはないプレゼン力で、4分間何も見ずに語ったようです。同じ思いをしてきた同期の仲間の中に何人も涙を流した人がいたとのことでした。
何かに特化していることを武器に合格してきた仲間たち。
だからこそ、途中で投げ出すことを許されず、自分の思いと葛藤しながら続け、結果を残してきたのだと思います。
20歳前の大人へと変化していく今、「今だから言えること」のテーマでの発表は、自分をさらけ出し、そして受け止める自分の棚卸の機会だったと思います。
そしてこれから大人になっていく娘にとっても大切な時間でした。

一緒にいるときにかけたことばが心に響いたのかどうかを、その時は実感することはありませんでした。
しかし、かけたことばが自分の実体験を通し、咀嚼されていることをあらためて感じました。
そして思いをことばにすることの大切さを感じています。これからもことばをかけ続けて行こうと思います。

娘が自分の内面を表現し、「幸せ」とは何かを考えるようになれたのも、ひとり暮らしになり多くの方との出会いがあったからであり、娘の心を動かしてくれた方々へ感謝の一言です。

今年を振り返り、さらに来年も多くの方への力になれるような一年でありたいと思っています。
どうぞ、皆様来年もよろしくお願いいたします。


12月も中旬を過ぎ、年末モードになっていますが、今年も石川県立小松瀬領特別支援学校で、久々の重度の肢体不自由の子どもたちとのかかわりです。
今年で石川県は3年連続になります。
昨年、学習指導し初めて文字を書いたKちゃんとも久々の再開です。
「できる、書ける!」のことばに必死で応えてくれたKちゃんに感動したのですが、今回の摂食指導でも真剣に取り組んでくれて、またまた感動でした。

午後からの先生方への講演は、文字、数がテーマでしたが、ポジショニングと学習場面の数秒のビデオ分析に時間をかけました。
まずは、目の前の子どもの小さな反応を見逃さないこと。
そしてその時、指導者はどのような意図を持ってどうかかわったか。
何回も見せながら、見ることの重要性を伝えました。
加えて、反応を解釈するためには、発達のこと、障がい特性、その子固有のこと等を知ることの重要性をしっかりとお伝えしました。

日々の仕事に追われ心身ともに疲れていても、子どもの「小さなできた」に気付くことができ、そして導いた自分に気付くことで、疲れを吹き飛ばす程のエネルギーがもらえます。

学期末、年末で少々お疲れの先生方へのエールを込めて、そのような内容を伝えてきました。
若手の先生方には、「この子、今年度中に文字学習に入れるよ!」と指導のプロセスを伝え、少々プレッシャーをかけてきました。
やる気のある若手を伸ばすことは、子どもの未来へとつながります。

光る、音がする、動く、風の4大要素を持つ玩具との出会いを求めて

今回は講演に向けて、前泊し少し早めに着いて観光しようと思ったのですが、駅ビルもなく、駅前の商店街は、日曜日にも関わらずほぼシャッターがおり、寂しくイルミネーションが光っていました。
それでも何かあるかなと思い、商店街を歩いたら、昔ながらの玩具屋さんを見つけました。
最近、ショッピングモールの中の玩具屋は電池で動くものが少ないのですが、スイッチに連動できるものを探していました。
子どもを惹き付けるには、光る、音がする、動く、風の4大要素が良いと感じているのですが、なかなかこれ!といったものが見つかりません。

翌日の講演で重度の子どもたちのハッと驚く表情を見たいがために、玩具屋に飛び込んだのですが、お店には誰もお客さんがおらず、怪訝そうにな表情の店番のおばあちゃんに話しかけ、店の中を見渡してみると、久々に昔ながらの起き上がりこぼしを発見!それも大小3種類!
「最近いろいろ出ているけど、これがいいんですよね!」とおばあちゃんと意気投合!さすがに抱えて帰るのは、無理かと断念しました。
結局、買ったのは電池で動く小さなペンギン。クルクルその場で回り、子どもの手の届く辺りで動くので、丁度いい!翌日の指導が楽しみになりました。久しぶりに時間を贅沢に使った気がしました。

このペンギンの玩具は当日どうであったかというと…
知的と肢体が重度で自閉的傾向のお子さんの目が釘付けになりました。探した甲斐がありました。


学習指導を始めて今年で25年になります。四半世紀です…。
きっかけは、4歳のゆうちゃんのお母様と4人のお母様方から学習指導の要望があり、今に至ります。
そのゆうちゃんも11月4日で30歳になりました。
ずっと通って来てくれています。
お母様には、我が子がお腹にいる時から子育てのアドバイスもいただきました。

今やゆうちゃんの描いた独特の世界観が作品になり、販売されています。
ネコバスから始まり、コンタックさん、ごはんがすすむくん、と興味が広がりました。
お勉強に使おうと、近くの薬局にコンタックさんの看板をもらいにいった日が懐かしく思い出されます。

さらに、5歳からセンターへ通所され、記念すべき20年が過ぎた大くんも来訪されました。
大くんは指導初日、木のはめ板を出した瞬間、投げつけました。
これまで、何回も失敗体験をして修正されてきたのだろうと思い、しばらく木の教具は使えませんでした。
この時、失敗させてはいけないことを改めて考えさせられた瞬間でした。

大くんの失敗体験の何が問題なのでしょうか?
私たちも知らない数式を出され、教えられないで「解いてください!」と言われ、間違った回答を出して、「違う!」と指摘されるのと同じことを大くんは経験したのです。
テストと指導は違います。
十分理解した後にテストをしますが、最初は指導しますよね。
理解した後のテストで間違っても、修正しようと思うし、間違いを受け止める体力、精神力があります。
教えられないで間違った時は指導者の責任です。
スモールステップで教える時には、失敗のないよう教えます。
失敗したのは子どものせいではなく、失敗させた指導者の責任です。
「できた!!」の積み上げとほめられることで、動機付けになります。

こうして、大くんの成功体験を積み上げながら、20年の学習指導が続きました。
ピーマン好きな大くんとピーマンの教材でマッチングした時の映像は今もクッキリ鮮明に残っています。
そして、小さな部屋で動作法で格闘した時のことも…。

25年間の子どもたちとの歴史を噛みしめ、そして、これまでお母様方から支えていただいた自身の日々を思い出し、これからもずっと、学習に困難を抱えている子どもたちの味方でありたいものです。


6歳の凌ちゃんとお母様に出会ったのは、周南での摂食指導の会でした。
身体に常に力が入り、食べる時もうつ伏せとのこと。
摂食よりも動作と、身体を弛めることから始め、抱っこで食べられるようになったあの日のことを鮮明に覚えています。

ご家族で下関に転居されてからは、動作法や指導法を伝えるために下関総合支援学校にも行きました。
その頃、下関福祉専門学校に勤め、動作法を教えていたため、お母様と凌ちゃんに学校に来ていただいたこともありました。
その頃の学生も今や福祉の場でリーダーになっています。
また、弟のはやちゃんも一緒に来られたことがありました。お兄ちゃんの表情の凌ちゃんでした。
その頃のセラピーの様子は、今も山口大学の授業で紹介し続けています。

私が講師をしている山口コ・メディカル学院の授業にもゲストで来ていただいたこともありました。
凌ちゃんのお母様の実践されている摂食指導、学習、動作を直接学生に教えていただきました。

何よりお母様のことばが学生の胸を打ちました。
生後、脳性まひの診断でショックを受けながらも、病院まで母乳を届けに行ったこと、
お父さんの温かいことば 、
10ヶ月の時に、更にダウン症の診断を受けた時のこと…。

一番心に響いたのは、お母様のポリシー。
たくさん辛いことがあったのに、障害を持たれている母親のイメージを打破するように、日々子育てを楽しみ、自分の生き方も大切にしている凌ちゃんのお母さんとの出会いは学生たちに多くの感動を与えたことだと思います。
その学生たちも今や言語聴覚士として活躍しています。この日、講師としていただいた初めてのお給料とでも言える講師謝礼は、いまだにもったいなくて大切に取っているそうです。

凌ちゃんもお母様もたくさんの学生を導いてくださいました。もちろん私も育てていただきました。
出会いは素晴らしいです。

その後、凌ちゃんは愛媛に行かれていたのですが、いつかまた会いたいと再会を願っていました。
そして、昨日、実現しました!
もう、25歳に成長されていました。笑顔は出会った頃と変わりません。
凌ちゃんの幸せな気持ちが伝わってきました。

25年前、5人のお子さんのお母さんから学習指導の依頼をきっかけに、動作法や指導法など発達支援、学習支援をしてきましたが、単に指導することだけが目的ではなく、凌ちゃんのお母様のようなキラキラ笑顔のお母様を一人でも多く増やしていきたいと改めて感じた一日でした。


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