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部屋に入り準備していた教材を見るなり
『こんなにでき~ん!…時間がなくなる!…』と大声で泣き叫ぶA くん。
『ここから選んでいいんだよ』と言ってもおさまらない。

視覚情報の処理とワーキングメモリーの弱さから、短時間で終わる課題も果てしなく時間がかかると感じる。
でも、ブロックは難しいものでも、取説見ながら作り上げる、もの凄い能力がある。
ブロックは、見ただけで短時間でこなせると判断できるメタ認知があるが、学習は書字の困難さからか、短時間でできる課題として用意したものでも、どの位の時間がかかるかの判断が難しい。
他の場面でも多々あると想定する。
だから、『大丈夫!ぼくできる!やってみる!』と見て判断ができる力を付けたいと取り組んできた。

今回も、これまでと同様、書くことの負荷を軽減するため、漢字を貼りながら覚える方法で、自作の問題は一枚ずつ切り離し、時間内でどれくらいできるか、内容と枚数を決めてもらいながら行う学習のやり方だった。
特別に変わったことはない。
何かあったのかなとお母様にうかがうと、最近、他の場所でも泣き叫んでしまうことが多いとのこと。

これまで、苦手な学習に向かう時にはこっそり準備したレゴを見せて、新しいレゴに気持ちを逃し、作りながら学習に取り組んできた。
最近は、家で過ごすことが多いため、家で製作した作品を持ってきてくれて、作品のことをあれこれ言いながら学習課題をこなしている。
昨日も大きな段ボールを抱えて来てくれた。

落ち着いた時に、抑制ができなくなり泣き叫んでしまった自分を責めるA君自身が、一番自分の気持ちの整理の仕方に苦しんでいる。
それを知っているから慎重に対応してきた。
泣き叫ぶのを『もう大きいんだから』と怒ったり制止したりしても解決にはならない。

 中学選択で、地元の中学でなく、精神的安定のもとで力を伸ばしてもらえることを期待して選んだ支援学校。
ここは、本人の困りに寄り添ってもらえる…と。
でも、能力が高いだけに、先生の要求が過度になり、抑えきれない気持ちを吐き出した。
そして、止められた時にアザができた。
同じ頃、他の機関でも吐き出すことが増えた。

 また、随分前のことだが、Bさんは中学校で不登校になり、すがる気持ちで支援学校高等部を選択した。
しかし、起立性障がいのため朝が起きられず、1コマ目の同じ授業が受けられず、補講の機会を設けてもらいながらも単位が足りずに留年。

 支援学校を最後の希望として選択している保護者の方の思いと、ここでならば自分が変えられると願って入る子どもたちの気持ちを理解して欲しい。
ここでならば、の思いを…。

 昨日は、泣き叫ぶ時間が長くなるだけ自分を責めるだろうと、『この中から3つ終わったら来てね』と言い渡し、お母様と退席。
最初はバタバタ音がしていたが、覗いて見ると、やってるじゃん!『やるに違いない!』という確信はあったけど。
あとは、私は作品をカメラで撮りながら、彼はモデルにしたYouTubeの動画を見ながら説明。いたって穏やかに。

 案の定、玄関で泣いた自分を責めていた。
『まあね、そんなこともあるよ』とさりげなく交わした。
お母様とふたり、笑顔で帰って行った。


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