子どもの実態把握と学習課題の組み立てが重要
18年間続けていることがあります。
外部専門家活用の立場で島根県立益田養護学校へ訪問していることです。
事前に相談のお子さんの学習状況を送っていただき、センターから教材を準備していきます。
長年訪問していると、お子さんの名前だけで顔が浮かび、前のやりとりが浮かんできます。
子どもたちの成長を感じ、ひたむきに取り組む子どもたちからエネルギーをもらっています。
連続5人の指導+担当教員へのレクチャーであっという間の6時間です。
合間の食事は10分で済ませ…でも不思議と帰りの2時間程の運転は疲れを感じません。
私にとって、子どもとの学習は本当に楽しいものです。
あやちゃん(現在4先生)
1年生の時から指導させていただいています。
ずっと言い続けていることは、運動障害があっても、知的には学年に準じた内容をやれる子どもであり、将来高校卒業後の生活も視野に入れながら、選択肢を狭めないように、ということです。
たまたま、担当の先生がお休みで、教材も用意していなかったので、虹とおひさまの教具を使いました。
今回の相談内容は「算数のくり上がり、くり下がりの指導法」でしたので、まずはそこからです。
自作プリントでやり方を伝えたらできるようになりました。
4位数まで入っていること、お金は等価に入っていること、そして、時計も。
通常の1、2年生の内容をやってはいるが、先生の方が系統立てに悩んでいることが窺われました。
教え方により、くり上がり、くり下がりが念頭でできるということは、量概念が備わっていることが確認できます。
それならばと、1円10個と10円の等価を、虹とおひさまの教具で教え、1円5個と5円が同じことを教え、5円と5円が10円になることを「等価」と「2イン1」の教具で教えました。
その後、あやちゃんに、等価のセットを使い、ひとりで必要数を作ってもらいました。
10円50円100円の関係も同様に行いました。
まとまりがわかったならば、できる!
次にかけ算に挑戦です。
今回の春セミナーでプレゼントする教具を使ってみました。かけ算の意味を教えるのにとても有効でした。
まず、「ずつ」のことばの理解。
20個の小さいマグネットを渡し、「2個ずつ」かたまりを作り、小さな透明の箱に入れることをしました。
入れ終わった後、箱の数と、透明な箱に入ったマグネットの数から、固まりが1つ、2つ…と数えて、セミナーで使う教具に対応させながら、数字を書いてもらいました。
40分の授業、疲れたと思います。
後で、先生が感想を聞くと、「新しいことをやったよ!」と言っていたそうです!
小学校では、教科書が一つの筋道になっていますが、支援学級、支援学校では、子どもの力がどの辺りなのか、実態把握と学習課題の組み立てで悩んでいる先生が多いように感じています。
だから、毎年、教える内容が変わったり、先生の価値観で決めてしまうことも考えられます。
虫食い的に課題を行い、系統的に積み重ねていかないと学びとはなりません。
今回のお金の指導場面を見ていただき、そして、ビデオに撮っていたので、他の先生方と共有することで、できていく過程が伝わったのではないかと思います。
お知らせです!
小学校低学年~中学年の支援学校・学級等の指導担当者様、保護者様を対象に学習指導法のセミナーを年2回実施しています。
講義と演習を組み合わせたセミナーで、実際の指導法をそのまま学ぶことができます。
今、学んですぐに活かせる!セミナーです。
今回のテーマは「かけ算・わり算の教え方」です。かけ算、わり算の意味からひっ算までを講義と実践でしっかりと学ぶことができます。
詳細/お申込みは当センターのセミナー情報をご覧ください。