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今年、特別支援学校に採用になった、フレッシュマンコースの受講生より、質問がありましたので、皆様へもシェアします。

現在の状況

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表出言語がなく(やや喃語あり)コミュニケーション手段の一つとして、身振りの獲得や、写真カード、絵カードでの要求表現、意思表現が出せるようになるを目標にしている児童がいます。
個別学習では、絵本や教師の動きをみて身振りを模倣したり、形や色の弁別課題や具体物のマッチング課題を通して見分ける力をつけ、具体物と絵カード、写真カードのマッチングにつなげられるようにと考え、指導を行なっています。
学校が再開し、1ヶ月程度、上記の学習を行なっており、繰り返しの学習の中で着々と力がついていっているのを感じています。(身振り表現もたくさん増えました!要求も少しできるように)
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フィードバックについての質問

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児童がよく見て見分けることができた時や、上手に模倣ができた時、頑張っている時などの声かけや称賛の言葉などを工夫して行い、褒めるということを意識して行なってはいますが、児童にとって、それが一番有効的なフィードバックにはなっていないような気がしています。
褒めるだけでは、集中力が続かず、あまり児童自身が達成感を得られてないのではないかと思いました。
例えば具体物のマッチング学習で、児童が同じものを同じ箱に入れなければならない意味づけみたいなものを感じられるようにするには、褒める以外にどういったフィードバックが必要でしょうか?
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フレッシュマンへのアドバイス

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まずは、フィードバックのことを考える前に、本人にとって達成感のある課題かどうかです。繰り返しのことばが気になります。
同じ教具を使っていても、ステップアップしているはずで、繰り返しの指導であっては、子どもにとって作業でしかありません。

学習は子どもにとっては思考力をそそるものでなければいけません。
呈示された課題を弁別する際に、何をどうすればよいかを考え、色、形等、何を基準に選択したらよいのかを判断しようとした表情が見られますか。
その時に、『それでいいよ、すごいね』とほめるのです。ほめるタイミングがズレると、正の強化子にはなりません。
まずは、行っている課題が簡単すぎないか、あるいは難しすぎて100%手伝っていないかです。

少し考えてできる課題を設定しながら、間違いそうになったら、さりげなく支援し、あたかも自分でできたように思わせるテクニックです。
ほめるは最大の強化子です。
まずは、実態と課題のズレ、そして、スモールステップでかかわっているかを見直してください。
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メッセージに対するコメント

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繰り返しの学習の中でも、見分けの個数を増やしたり距離を離したり、教材自体を変えて、教材間の違いが小さいものに取り組んでみたり、と行ってはいたのですが、児童にとってそれで達成感を得られているように感じない場合は、簡単すぎるのかもしれないなと思いました。
褒めることのタイミングがずれることで正の強化子にならないのですね。まだまだタイミング難しいです。
児童にとって、達成感を得られる、思考力を身につけられるような、少し頑張ればできる課題を考えてみます。
ありがとうございます!
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フレッシュマンは、これまで概念的に学んだことを現場で実践し、子どもたちの成長を感じながら、時に壁にぶつかりながら、一生懸命取り組んでいる様子がうかがえます。
指導者も学びと実践を繰り返し、経験を積むことで指導もブラッシュアップしていきます。
今日うまくいかなかった指導を明日の指導のために、悩み改善することは向き合っている子どもたちの未来を創ります。
私たち指導者はそのような思いで取り組むべきだと、フレッシュマンの質問に答えながら感じました。


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