早朝4時に目が覚め、大急ぎで支度をして成田空港に向かうことにしました。
今春大学を卒業する娘は卒業式を待つことなく、カナダに留学することなりました。
見送りを夫に任せることにしていましたが、やはり私も見送ることにしました。
成田に向かう新幹線の中で、娘の4年間を振り返ってみました。
新型コロナウイルスの流行により、4年間の大学生活の半分はオンライン。
キャンパスライフをエンジョイした日の方が少なかったくらいです。
幸い、大学1年の春のコロナで閉鎖される直前まで、台湾、フィリピン、ヨーロッパと行くことができました。
さらに、大学生活でもっと色々とチャレンジしたいと、所属していた部活も退部し、NPO法人アイセック・ジャパンに所属し苦しみながらもリーダーとして活動していました。
また、大学の研究会の地方創生プロジェクトに参加し、最後はファミリービジネスのプロジェクトリーダーとして、企業の社長と交流を持つ経験もさせていただいていました。
それでも、長期休みを利用しての留学など入学当初予定していた大学生活でやりたかったことが満足にできず、どこか心残りを感じていたのでしょう。
3年でスタートした就職活動でも、秋入社ができるところをターゲットにしていたことからも想像できました。
今回の留学は半年の語学留学と専門学校に行きつつインターンで仕事もするプログラムで、これに参加するために約一年間、バイトを掛け持ちで渡航費と学費を準備したというのです。
大学生だからできること、やりたいことを事を実現するために必要なことやモノを準備し、実行するプロセスができていることに、わずかながらの成長を感じ、娘の門出を応援しようと見送りに行くことにしました。
ワーキングメモリーの弱さと言語能力の弱さに、親としてずっと心配してきました。
離れていても常に気になっていたから、会えなくなる娘に会っておきたかったのかもしれません。
昨年、母が突然亡くなった時に感じた「後悔」。いつどうなるかわからないから悔いないように、という思いもあったと思います。
こうして、娘の成長とともに常に感じること、それは多くの方の『助け』と『応援』のお陰だということです。
子どもの成長のバックグラウンドには、必ずその成長のきっかけとなるものがあります。
そのきっかけを作ってくれるのは、むしろ親以外の存在であることが多いように感じています。
直接アドバイスをいただくことはもちろんですが、また新たな出会いそのものがきっかけになります。
そのためには、多くの体験をさせることは大切なことです。
体験を通して、これまで自分の身近にいなかった人との出会いがあり、様々な意見を聞くこともあるでしょう。
新しい出会いは新たなことを考えるきっかけになりますし、時に困難に向き合うことになることもあります。
しかし、その困難を困難で終わらせないために、解決のためのプロセスを考えるきっかけになります。
留学する事そのものが目的というより、留学することで出会い、そして考え方、習慣は大きく広がります。
日本人であれば、当たり前のことが当たり前ではないことを知り、困難に直面する事や疑問を感じることもあります。
歴史、宗教、文化の違いを理解し、共に社会性をもって生きていくすべを考えるグローバルマインドは、言語や仕事のスキルと同様に重要となるでしょう。
子どもの社会性は自立していくうえでとても大切な力と言えます。
次代の社会を担うこども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する
私たちセンターもそのような役割の一端を担っていきたいものです。