短期間で分かる時計学習法が必要な時代
私たちは、どのようにして時間が分かるようになったのか?
7時に家から出るためには、何時に起きたら準備ができるかな?
9時から12時まで何時間勉強するかは、「9・10・11・12」と数えるのか「10・11・12」って数えるのか?ということをいつ覚えたのでしょう?
確か、子どもの頃は、スタートの時間の次の時間からゴールまでを指を折りながら数えていたような気がします。
小学校1年生で始まる時計学習の現状
- 小学1年生の1学期
- 「何時」「何時半」と時刻を読む学習
- 小学1年生の後半
- 「何時何分」まで学習
- 小学2年生
- 1日が24時間、13時=午後1時を学習
- そして…
- 「1時から3時間勉強すると何時になるか」「午前11時から午後1時までは何時間」を学習
時計学習の問題点と対応策
今は、学習内容にじっくり取り組む時間も少なく、あっという間に次の単元に移ります。
算数は、積み重ねの学習です。抜ける部分があると、どこかでつまずきます。
今は、ゆっくりゆっくり、指を使いながら時間の間隔を数えていた時代とは異なります。
世の中のスピードに合わせて、短時間でわかる学習法が必要です。
【レディネス】時計に入る前に付けておきたい力
- 大きい・小さい、長い・短い、多い・少ない等、ことばを理解できる
- 数の三項関係がわかる「数える・量がわかる・数字が読める(指差し可)」
- 生活の中で、時計に興味を持ったり、意識したりする様子が見られる
- 数字を小さい方から順に並べることができる
- 簡単な時系列の絵を順番に並べることができる
- 10よりも大きい数(30くらいまで)を読むことができる
- 生活の中で、何かを基準に(テレビの番組等)、行動のはじめとおわりを意識している
時計学習が始まる前に理解しておくべきこと
時計のお勉強が1年生ですぐに始まるということは、それまでに数の保存の概念を理解しておく必要があります。
4歳頃になると、数の保存の理解がされつつあります。「数字が読める」「数が数えられる」「量がわかる」これは時計の学習のもとになっていきます。
量がわかること(まとまりの数がわかること)
11っていうと「101」と書いてしまう子どももいます。11は「10のかたまり」と「1」で「11」であることを教えることも大切です。そのためには、まとまりの数がわかることです。
ホワイトボードにランダムに磁石を置き、いくつまでなら指を出さないで目でまとまりがとらえられるかを確かめます。
3まではどんな位置に磁石を置いても「3」と自信を持って言えるのに、4になると、自信なさそうにそうっと指を出して数え始めます。
4のかたまりを目でとらえることが難しいのでしょう。並べていると数えられてもバラバラに置かれると途端にどこから数えて、数えたところを忘れてしまい、指で数えてしまいます。
3つの磁石がギュッとくっついたものと1つずつの空間が広めに置かれた3つの磁石を見せて、「どちらが多い?」と聞かれ、広い方を選んでしまう場合、数の保存の概念が難しいと考えます。
どんな位置に置かれても物の数で同じであることがわかることが『量がわかる』ということです。
数字が読めること
子どもが3歳の頃に、「母の日」のお母さんの絵が住宅展示場で展示されました。喜び勇んで見に行ったことろ、○に点々の顔でしたが、一生懸命頭の中でイメージしていたことを表そうとしていたのだと思います。
このように3、4歳頃になると、象徴化といい、イメージする力がぐっと伸びていきます。
たまたまできあがったものに命名したり、粘土や積み木で思い描いたものを作ったり、歌を聴いただけで手遊び歌を思い出して体を動かしたり・・・。イメージする力は言葉につながっていきます。
言葉は見えないですよね。物を描いて言葉にしたり、相手のことばをイメージしたり・・・。そして、意味のない記号である数字や文字を見て、「いち」や「は」など音とつなげて読むことができるようになっていきます。ただの記号が文字や数字のような意味のある記号に変わっていくのです。
文字や数字を読むことができるためには、頭の中にたくさんの映像が描けることが必要です。
子どもの理解を促すには細かいステップと的確な言葉かけが必要です。
子どもの理解を促すスモールステップ指導(ダイジェスト版)
時計型