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同時処理タイプの子どもの指導状況を保護者さまにご了承いただき、情報提供します。

☆実態(簡単にまとめると…)

即時的記憶力は高い。
まとまりの数や漢字は形で捉えるが、全体と部分を相互に把握できず、書字では抜けやバランスが取れず、音読は逐次読みになる。

☆指導の流れ

図形模写(全体と部分)
→ランダムに並んだ文字の中から単語を抽出(単語をまとまりとして抽出)
→短文の中から、『なに』の部分を抽出(音読、読解に向けて、意味のあるまとまりを抽出)
→漢字の形を即時的に覚え想起しながら書く時に、筆順を言語化させる(全体と部分)
→10までの量のイメージ(量を大きさで捉える:得意!)
→時計の10の大きさ(時間を大きさで捉える)
→10分毎の位置を覚え基準とし、5・10の間の時刻を読む(10分の大きさから、10分毎の位置を把握する)
→10の補数、加数の分解により、くり上がりの計算を行う。(数量を見える形で大きさに置き換え分解する)

得意なまとまりを把握できる力を活用し、音読・書字・くり上がりの計算を行っています。
時計の時刻の読みも、10分の大きさから大体の位置を把握し、長針の数字がなくても読めることを目標にしています。

時間の指導は、元役者からすると、台本です。
クライマックスをどこにするか…ですね。


コロナ過、対面でのコミュニケーションがスムーズに行えないことを誰もが実感していることでしょう。
そして、改めて人との関わりの大切さを感じられているのではないでしょうか。

昨年の夏、集合形式のセミナーの開催ができる状況下にはなく、当初は開催できないのではないかとあきらめかけていたのですが、
「学びを止めてはいけない!これまでと同じ状況でできないのであれば、できる方法を考えてみよう!」と前向きに考えた結果、ITの力を借りて学びの場を創り出すことができ、情報発信をすることができました。

定期的に実施していた指導者のための「学習ナビゼミ」もすべてオンラインで実施することで、地域関係なくご参加いただくことができるようになりました。

こうして、受講生の皆さんとのかかわりを継続することができ、また新たな出会いもあり、本当に嬉しいばかりです。
私がずっと、大切にしていること…それは養護学校時代の教員経験時代に感じたことです。

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寝たきりの子どもたちを前に、教師という肩書きだけでは何もできないことを痛感し、一年目に身体の訓練を学び、学習指導、食べることに困難を抱える子どもたちへの摂食指導を猛勉強しました。
この時の学びは今の心理リハビリテイションやつばき教育研究所理事長宮城武久先生や教材の神様の水口 凌先生との出会いにつながっています。
さらに新宿養護学校3年目に、もっと子どもたちによい訓練や学習指導ができるようになりたいと、専門性を付けるために筑波大学大学院に入学し、運動障害を専門に学んできました。
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教育現場で働きながら、壁にぶつかるたびに新たに学び、指導に繋げていく。この繰り返しでした。
学びを広げると同時にコミュニティも広がります。
このコミュニティは私にとってとても大きな力となり、自分自身の将来の目標となる指導者との出会いにもつながりました。
指導者のスキルやモチベーションは指導にも反映され、結果、子どもたちの学習意欲や学習スキルの向上につながることを実感しています。
「先生!わかった~!できるようになったよ~!」この言葉を少しでも多くの子どもたちから聞くために学習指導に従事し、多くの指導者の皆さんとの関りを大切にしているのです。

先日、学習ナビゼミ受講生の方から、メッセージをいただきました。

「先生や参加されている方たちとの繋がりはとても刺激になっていて私にとってはすごく大切な居場所となっています。」
「勉強になる情報、ニュースをたくさん得ることができ、ありがたいつながります。」
「全国で頑張る仲間がいることが感じられて心強いです。」

などなど、学習ナビゼミのコミュニティ(つながり)をとても大切に感じてくださっているようです。
学ぶのはスキルだけではありません。人とのつながりは私たちの心を育むということです。
それが、子どもたちの教育へと導かれます。


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このメルマガには、食事場面の課題関連図画像が追加されています。画像と合わせてご覧になる方は、文頭のタイトルをクリック(タップ)していただくと、サイト上のメルマガにジャンプし、画像付きで閲覧できます。


たけちゃん、高等部ご卒業おめでとう!
一度も会ったことのない、都立光明学園のたけちゃんの食事場面の課題関連図をオンラインで作りました。

参加者は、東京、石川、広島、山口のナビゼミメンバーです。
今回の目的は、卒後の進路先に繋げる引き継ぎのためです。

前回は、初のオンラインでの課題関連図作りだったため、切り離せるように、枠にあらかじめ情報を書いたものをデータで送り、みな同じ内容の紙を分類しました。
今回は、前回参加された方が多く、進め方も完成した形もイメージできていたため、3グループに分かれ、それぞれがビデオ、資料からチョイスしたことを紹介しあいながらの本来の形です。
顔を付け合わせ、ワイワイガヤガヤ話しながら、それぞれの思いを共有しながら、新たな発想が浮かぶKJ法はオンラインでも可能!
それぞれのルームに入ると、どのグループも活発なトークがされていました。

固定観念のもと『できない!』と思われたことが『できる!』に変わりました。
そして、参加者それぞれが、次は、この方法で誰と何を目的に行おうかとイメージが膨らんだように感じました。

私とスタッフもこちらで、課題関連図作り。関連性が見えてきました。
摂食面での課題だけでなく、随所にたけちゃんの人柄が見えました。
人の要求に応えようとする優しい子。
肢体不自由で車椅子のたけちゃんは、発語は『ママ』『はい』等少ないけど、ビデオからの仕草で、先生の指示に一生懸命応えようとするけなげさが見えました。

場面関連図はグループで異なりましたが、それも複数で考える良さ。
さらに積み重ねることで、子どもにマッチする課題とそれに基づく目標が絞られていきます。
最終的に絞られたいくつかの山を、それぞれのチーフがGoogleスライドに記入しました。
これは、誰もがその場で書き込めるのでオンラインで共有するには便利なツールです。

今日のセミナーは、参加されたみなさんの温かさに申し訳ない以上に感謝の気持ちを感じたセミナーであり、たけちゃんを育ててこられたお母様から感動をいただいたセミナーでした。
忘れられないセミナーになりそうです。


1L 0.92kg  
では、3.5Lでは何kg?

ほとんどの人は、0.92×3.5。
ところが、みいちゃんは…

3.5を3と0.5に分けて計算しました。

0.92×3  そこまでは理解できました。
次は、0.92×0.5と思いきや。

0.5Lは1Lの半分だから、0.92を2で割りました。
そして、0.92×3+0.92÷2

ほとんどの人が0.92×3.5の中、その思考はすごい!!

いつも、もやもやしながら、自分の考えと学校での教えの違いと自分の考えを確認するためにセンターに来るみいちゃん。
またひとつ、子どもの気持ちに寄り添えた気がしました。


朝から18時まで、90分5コマの授業です。
事前に資料を送ったものの、セミナー動画に時間を割いて、no program…
いつもの如く、受講者を見ながら、その場で、授業構成を決めます。

今日の学生は、2年生の時にも一時間教えた学生たちです。
なかなか、素直でノリが良い学年。
まず、重度の子どもの写真を見せ、『あなたがこの子の担任になったら、何を指導目標とするか』と問います。

意思表示手段の確立の意見が多かったので、認知面から講義を始める。
文字に向けてのステップから、文字学習のステップへ。
学習、食事で、大切なことは、ポジショニング。
そして、運動・動作の学習へ。マットで補助の仕方を伝える。
次は、その流れで、正常運動発達のビデオ視聴。
そして、脳性まひ児の乳児期のビデオを見せながら、脳性まひについての講義へ。
そして、その流れから、摂食指導へ。
食材を使いながら、食べる機能の正常発達段階を伝える。
そして、マットで、介助法を。
最後は、進行性疾患のお子さんのビデオを見せ、家族は、お子さんがどんな状態であっても、笑顔で見守っていることを伝える。

あなたたちは、家族とお子さんの長い人生の中でのほんの少しの時間を共に生きさせていただいている。
家族の思いを大切に!
そのほんの少しの限りある学校生活が充実したものになるかどうかは、君たちにかかっている。
教師の専門性は何か!
…と、レポート課題を出して終了。

フーッーーーー
身体的にはクタクタだが、精神的には充たされた一日でした。
思いを繋いで、心優しく子どもや家族に寄り添える教師になってくれることを願っています。


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