一生懸命やってきたからといって、必ずしも理想通りの結果が出るとは限りません。しかも日々努力を重ねてきたとなると、結果が出せなかった現実に冷静に向き合えず、「向いていなかったのではないか」、「このまま続けても時間が無駄になるのではないか」、「本当はもっと違うことがしたかった」と思いがちです。
親や指導者の立場になれば、こういうときにどう声をかけるべきなのか悩むものです。
特に親御さんとなると、これまでのわが子の努力を一番近いところで見ているわけですから、子どもと同じように落ちこんでしまうかもしれません。

ある学生との出会い

長く競技生活をしているある学生が、大切な大会でよい結果が出せなかった後、「本当はもっと違うことがしたかった…。」と話してくれました。
まさに、現実と冷静に向き合えず、「向いていないのではないか」と感じ、時間だけが過ぎていくことに不安になっていたのでしょう。
なんの根拠もなく大丈夫とは言えません。しかし、その学生には「冷静に判断する時間」が必要でした。
そこで、時間をかけて少しずつ、私の思いをお話しました。

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落ち込んでいる時に、良い判断はできません。大会直後の今は、ここ数年結果が出なかった競技が嫌になっているのでしょう。

しかし、まだ努力の過程であり、将来的に伸びしろが残っています。
仮に今、辞めて他に行って結果が出なかったら、必ず辞めたことを後悔します。今は、やってきたこの競技だけに嫌気が差しているだけではないでしょうか。

他に移ったとしても、それがうまくいかなかったら、その競技を嫌になります。
しかし、今の競技の最大の大会で最高のパフォーマンスを出して、その時にこれで良いのかと向き合い、辞めて他に行くとしたら、その時は、やってきた競技もやってきた自分も嫌にはならず、自信になります。

その時に他に行くとしたら、かなりの覚悟であり、たとえそれがダメになったとしても、競技に嫌気が差すのでなく自分の選択に責任を持ち、決めた自分に向き合えます。

その時、誰が何を言ったかは問題でなく、決めた自分に責任を持ちましょう。
その時はみんなが応援してくれます。家族やあなたを支えてくれている人たちは不確実なこと、これからどうなるか不安なことに対して、理解されないかもしれません。
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その後、その学生は冷静な気持ちを少し取り戻し、「大きな試合で結果を出して、その時の自分と向き合い、判断します。」と話してくれました。
今後、学生が今の競技を本当にやめてしまうかもしれませんが、今の感情だけで判断せず、少し、考える時間ができたことを嬉しく思いました。
そして、学生の「頑張ります!」の笑顔に、実は私自身が大きなエネルギーをもらっています。


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