私がこの世界に入ったきっかけ肢体不自由の子どもたちとの出会いがあったからです。
教育実習先は、大学附属の特別支援学校(養護学校)でした。
そこは、知的障がいがほとんどない、身体が不自由な子どもたちで、身体の訓練は理学療法士が行っていたため、実習内容と言っても、小学校の教科を教えることでした。

現実と向き合い、新たな学びへ

その後、採用されて新宿養護(特別学校)に行くと、寝たきりの重度の子どもたちばかり‥。  
私は「名ばかり内容のない先生だった…。」と実感し、それからはがむしゃらに、運動・動作、摂食指導、認知面の勉強をし、大学院も運動障害を専門に学んできました。

音声言語の表出が難しい子どもたちは、体全体で思いを伝えてきます。
しかし、どの位受け止められているのだろうか、常に課題です。

「あっくん」との出会い

身体の緊張がかなり強いあっくんが、朝、自宅で突然亡くなっていました。
自宅で亡くなったため、解剖されることになり、直接の死因ではないが、胃潰瘍が見つかりました。
ショックでした。亡くなったことはとても悲しいことですが、それ以上に、胃潰瘍になる程ストレスを抱えていたことにショックを受けました。
まだまだ、あっくんにいっぱい伝えたいこともあり、意思表出手段を教えている途中であり、自分自身、受け止めきれてはいなかったことに後悔もありました。

緊張が強い子どもたちは、緊張を抜き、適切な姿勢(ポジショニング)により、必要な力を引き出しながら、随意的に動かせる部位を見つけ意思表示する手段を教えることが大切です。

あっくんのように、思いを伝えられないもどかしさを抱えている子どもたちは多いです。
あるお子さんは、誰も教えてはこなかったのに、ひらがな全部覚えていました。
身体が重度で寝たきりで言語での発話がないため、知的にも重度とみられがちです。
知的な面は、別にきっちり実態把握する必要があります。

知的障がいの子どもたちは、教える内容と教えるための教具のことを考えますが、肢体不自由の子どもたちには、加えて身体の専門的知識と技術が必要と考えます。
そして、運動、認知面の定型発達の道筋を理解しておくことが必須です。

現在は当センターでの指導以外に複数の大学と専門学校でも講義をしています。
 大学、専門学校で学生に教える機会があることは、とても嬉しいです。
あっくんのような子どもたちの気持ちを受け止められる先生が増えることを切に願っています。


シェアする